それは確実に5月病とはまた違うような。
のぼせ、あつく、また青さを感じる。
最近三年ぶりに友人と再会を果たした。
三年前より彼女も私も幾分外見も中身も落ち着いたように思えたが、
まだまだ彼女はどこか小説のヒロインのような、少女漫画のヒロインのような そんな破天荒さと危うさを纏っていた。
誰もが振り返るような派手な服装をし、街中を着いてくのがやっとの速さで歩き、急に甘いものが食べたいと目に入った物産店のお団子やモナカをきらきらとしたブランドバッグに詰め込んでいく。
なんだか見た目とその不釣り合いな行動が面白くて。
くわえ煙草をしながら近況や将来の夢を話し合う。
自分たちの異常さを理解し、自虐しながらそんな自分たちを楽しんでもいる。
彼女は自分のファッションや美学が所謂一般や普通、とかけ離れてることを理解してるから 自分のことを「バケモノ」と称して、男性との恋愛の難しさや、同性との恋、女の子の嫉妬深さ、フェミニズムなどを語った。
彼女の話を聞いているとファッションや性において、分かりやすさを演じることで相手や人の行動を楽しんでいる自分に少し負い目を感じた。
事実彼女にも
「私、そうやって楽しんでるの分かる。本当はどんな格好がしたいの?」
と聞かれた。
もちろん今現在の私の好きな可愛い、やファッションはそういう思惑からなる部分もあるが純粋に好きな部分もあり、またもちろん誰にも明かさない好き、もある。
でも私は、二十歳の私はそういう今の自分の生き方を気に入っているし、そうやって生きることでどれだけ、どこまで人や環境が変わるのか見てみたいと思ってる。
帰りがけ、滅多にならないが急に人混みに飲まれそうになり息が出来なくなる、という現象に襲われた。
目を細めフラフラと歩き、「人が、、、」と呟く私に
「人じゃなくて私のピアス見て歩いて。」
と言った彼女の大きくきらきらと光るピアスを見ながら渋谷のスクランブル交差点を渡った。
彼女と別れ、5月病とは違ったぼーっとした停滞感を電車の中でまた感じながら、
「ヒロインはきっと本当はとても生きづらいのだろうけど、私はかっこよくて不器用でいつも刺激的な貴女が好きだよ。」
と思い目を閉じた。
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